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【経営支援実績】施設介護から訪問介護へ!考え方の変化が新規利用者・登録ヘルパーの増加につながった事例

2026/10/14
├介護士支援コンサルタントセミナー講演会

大分県訪問介護事業所支援事業(経営改善支援事業)の実践報告

令和7年度「大分県訪問介護事業所支援事業(経営改善支援事業)」において、当社が経営支援を行う事業者として選ばれ、代表の秦が大分県内の訪問介護事業所10か所に対して経営支援(コンサルティング)を行いました。

この事業は、訪問介護サービスについて持続的な経営に向けた経営改善を図り、地域に必要な介護サービスを利用者が安心して受けられるサービス提供体制を確保することを目的としています。

経営改善といっても、事業所によって抱えている課題は異なります。

利用者の確保、売上の向上、人材不足、スタッフの採用や定着、業務効率化など、数字に表れる課題もあれば、事業所の方向性やスタッフの考え方など、数字だけでは見えてこない課題もあります。

今回の支援では、それぞれの事業所の状況を確認しながら、その事業所に合った経営改善を一緒に考えてきました。

このブログでは、その中で生まれた気づきや変化、実際に取り組んだことを「経営支援実践報告」として紹介していきます。

なお、事業所が特定されないよう、記事内の事業所名はすべて仮名としています。

今回ご紹介するのは、「訪問介護キャッツ」(仮名)です。


手探りの訪問介護事業所の立ち上げ



訪問介護キャッツ(仮名)は、事業を立ち上げて間もない訪問介護事業所でした。

研修開始時には、分からないことや不安も多く、事業所としてどのように経営を組み立てていけばよいのか、手探りの状態でした。

訪問介護事業所を経営していくためには、新規利用者を増やし、売上を確保する必要があります。

そのために、多くの経営者が最初に考えるのは「営業活動」ではないでしょうか。

ケアマネジャーの事業所を訪問する。

パンフレットを配布する。

自分たちの事業所を知ってもらう。

もちろん、これらも大切な活動です。

しかし、私は営業活動を増やす前に、考えておかなければならないことがあると思っています。

それは、

「自分たちの事業所は、利用者にどのような価値を提供しているのか?」ということです。

そこで今回の経営支援では、マーケティングやセールスの方法を考える前に、訪問介護の目的と価値を改めて考えることから始めました。


施設介護と訪問介護では、目的が違う



今回の研修で、特に印象的だった感想があります。

「施設の考えが染み付いている状態だと、研修を受けて感じました。」

長く施設介護の仕事に携わってきたスタッフからの言葉です。

私は、施設介護と訪問介護では、介護の考え方や支援の組み立て方に違いがあると考えています。

もちろん、どちらも高齢者の生活を支える大切な介護サービスです。

しかし、施設介護では、24時間の生活を支える体制の中で、安心・安全な暮らしを提供することが重要な役割になります。

一方、訪問介護では、利用者が住み慣れた自宅で、できるだけ長く生活を続けられるように支援することが大きな目的になります。

例えば、掃除ができなくなった利用者がいたとします。

そのとき、ヘルパーがすべて掃除をしてあげれば、部屋はきれいになります。

しかし、本当にそれだけでよいのでしょうか。

利用者自身ができることはないのか。

一緒に取り組めることはないのか。

生活環境を少し工夫することで、自分でできることが増えるのではないか。

「何をしてあげるか」ではなく、「どうすれば自宅で暮らし続けられるか」

この視点が、訪問介護では特に重要になります。

今回の研修では、この考え方をスタッフの皆さんと共有しました。


「利用者さんに何をしてあげるか」から「利用者さんは何ができるか」へ

訪問介護の目的を理解すると、利用者を見る視点も変わってきます。

例えば、何かをできない利用者がいたとき、

「何をしてあげようか?」

と考えるのではなく、「この方は、何ができるのだろうか?」と考えてみる。

そして、利用者本人や家族と一緒に、できることを探していく。

これが自立支援の大切な考え方です。

また、新規利用者へのサービス開始前には、ホームヘルパーの役割や事業所の特色を分かりやすく説明することの重要性も共有しました。

利用者や家族が、訪問介護を単に「できないことを代わりにしてもらうサービス」だと思っていれば、サービスに対する期待もその範囲にとどまってしまいます。

しかし、

「私たちは、利用者が自宅でできるだけ長く暮らし続けられるように支援しています」

と伝えることができれば、訪問介護に対する理解も変わってくるのではないでしょうか。

自分たちの仕事の価値を理解することは、その価値を利用者や家族、ケアマネジャーへ伝えることにもつながります。

これは経営改善においても大切なことだと考えています。


コミュニケーションの目的は、利用者を知ること



今回の経営支援では、コミュニケーションについても研修を行いました。

そこでお伝えしたのが、「話させ上手」という考え方です。

一般的にコミュニケーションでは、「話し上手」や「聴き上手」が大切だといわれます。

しかし、私はそれに加えて、相手が自然と話したくなるような質問ができる「話させ上手」も大切だと考えています。

今回の研修では、物を捨てられない利用者への支援について考える機会がありました。

部屋に物が多く、片づけが必要な状況だったとします。

そのとき、「どうすれば物を捨ててもらえるか?」と考えることもできます。

しかし、まず考えたいのは、「なぜ、この方は物を捨てたくないのだろうか?」ということです。

その物には、大切な思い出があるのかもしれません。

捨てることに不安があるのかもしれません。

あるいは、本人にとって必要な物なのかもしれません。

理由を知らないまま片づけを進めるのではなく、まず本人の思いを聞く。

研修後には、

「なぜ捨てたくないのかを引き出せるように、利用者さんを知ることから始めたいです」

という感想が寄せられました。

また、

「利用者さんの声を大事にし、アセスメントを行いたいです」

という声もありました。

支援する側の正解を押しつけるのではなく、利用者さん自身の思いや価値観を理解する。

このような考え方の変化が、より良い訪問介護サービスにつながっていくと考えています。


新規利用者の依頼が増え、登録ヘルパーの採用にも変化



こうした研修を重ねていく中で、事業所の経営面にも変化が見られるようになりました。

最終アンケートでは、

「12月以降、1か月に数件の依頼が来るようになりました。」という報告がありました。

研修前と比較して、ヘルパーの介入件数も増えたとのことです。

さらに、

「新規利用者・登録ヘルパーが増え、ご相談もかなり頂いています。」という感想もいただきました。

訪問介護事業所の経営において、新規利用者さんの確保は大きな課題です。

しかし、利用者が増えたとしても、サービスを提供するホームヘルパーが不足していれば、事業を拡大することはできません。

その意味で、今回、新規利用者さんだけでなく登録ヘルパーも増えたことは、事業所にとって大切な変化だったと感じています。

もちろん、これらの成果が研修だけによって生まれたと断定することはできません。

しかし、訪問介護の目的を整理し、自分たちが提供する価値を理解し、利用者さんとの関わり方を見直していく中で、実際に新規依頼や採用面での変化が報告されたことには意味があります。


経営改善は「目的」を明確にすることから始まる



今回の支援を通じて、改めて感じたことがあります。

それは、経営改善は手段から考えるのではなく、目的から考えることが重要ということです。

「利用者を増やしたい」

「売上を上げたい」

「スタッフを採用したい」

これらは経営上の大切な目標です。

しかし、そもそも自分たちの事業所は、何のために存在しているのでしょうか。

誰のために、どのような価値を提供しているのでしょうか。

この部分が曖昧なまま営業や採用活動を行っても、事業所の魅力を十分に伝えることは難しいと思います。

今回の訪問介護キャッツ(仮名)では、施設介護と訪問介護の違いを理解することが、事業所の目的を見つめ直すきっかけになりました。

そして、その考え方の変化が、利用者への関わり方や事業所の活動にも表れるようになりました。


支援を通じて寄せられた声



今回の経営支援では、次のような感想をいただきました。

- 「施設の考えが染み付いている状態だと、研修を受けて感じました。」
- 「なぜ捨てたくないのかを引き出せるように、利用者を知ることから始めたいです。」
- 「利用者様の声を大事にし、アセスメントを行いたいです。」
- 「12月以降、1か月に数件の依頼が来るようになりました。」
- 「ヘルパーの仕事は、家でできるだけ長く生活するためのお手伝いだと思います。」

そして、特に印象に残ったのが、

「新規利用者さん・登録ヘルパーが増え、ご相談もかなり頂いています。」という言葉でした。


介護支援コンサルタント・秦から

今回の訪問介護キャッツ(仮名)への経営支援では、事業所を立ち上げたばかりの手探りの状態から、訪問介護の目的を理解し、具体的な行動につなげていく変化が見られました。

私は、介護事業所の経営改善において、売上や利用者数などの数字を改善することは非常に大切だと考えています。

しかし、それと同じくらい大切なのが、「何のためにこの事業を行っているのか」を明確にすることです。

目的が明確になると、スタッフの行動が変わります。

利用者さんへの関わり方が変わります。

そして、自分たちの事業所の魅力を伝える言葉も変わっていきます。

今回の支援では、施設介護と訪問介護の違いを理解するところから始まり、利用者さんの声を大切にする支援へと考え方が変化しました。

その中で、新規利用者さんの依頼や登録ヘルパーの増加という経営上の成果も報告されました。

「良い介護をすること」と「良い経営をすること」は、決して別々のものではありません。

利用者さんにとって価値のあるサービスを提供し、その価値を必要としている人に伝える。

そして、そのサービスを持続的に提供できる経営をつくる。

これが、私の考える訪問介護事業所の経営改善です。

今後も、介護支援コンサルタントとして、事業所ごとの課題に向き合いながら、地域に必要な訪問介護サービスを守るための経営支援に取り組んでいきたいと思います。

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介護事業所の経営支援・研修のご相談について

介護支援コンサルタント秦邦仁は、訪問介護事業所をはじめとする介護事業所の経営支援、職員研修、セミナー・講演などを行っています。

「新規利用者を増やしたい」

「訪問介護事業所の経営を見直したい」

「スタッフに訪問介護の価値を理解してもらいたい」

「事業所の強みや特色を明確にしたい」

このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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https://clover-m.co.jp/consulting/


※本記事の成果は、支援先事業所からのアンケート回答に基づいています。同様の成果を保証するものではありません。

 
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秦 邦仁
株式会社クローバー
代表取締役

2011年に大分市で訪問介護サービス「ヘルパーステーション介護のみかた」を開所。自宅で元気に長生きできる独自のシステムを開発し、高齢者の生活をサポートしている。また、介護支援コンサルタントとして、小学校から老人クラブまで年齢層に関係なく介護セミナー活動も行っている。

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