令和8年7月28日、日田市複合文化施設アオーゼにて開催された「日田市訪問介護事業所連絡協議会」の会において、基調講演を務めさせていただきました。
今回の講演テーマは、
「やっぱり家がいい!」自信を持って言える世の中へ
~セカンドライフを笑顔で過ごすために~
です。
当日は、日田市長、日田市議会議員、自治会長、民生委員、ケアマネジャーなど、地域や介護に関わる83名の皆さまにご参加いただきました。
今回の講演は、私にとって特別な思いのある講演でもありました。
始まりは、3つの訪問介護事業所への経営支援
今回、基調講演のお話をいただいたきっかけは、昨年度に行った訪問介護事業所への経営支援でした。
大分県の事業として、県内10か所の訪問介護事業所を対象とした経営支援が行われ、私が支援する側として、令和7年10月から令和8年2月まで携わらせていただきました。
その中に、日田市の訪問介護事業所が3か所ありました。
当初は、それぞれの事業所に対して個別に経営支援を行っていました。
しかし、支援を続けていく中で、少しずつ事業所同士のつながりが生まれ、最終的には3社合同で経営支援を行うようになりました。
その際に聞いていたのが、
「日田市の訪問介護事業所がつながる協議会をつくりたい」というお話でした。
そしてその後、経営支援に参加していた3社が中心となり、「日田市訪問介護事業所連絡協議会」が立ち上がりました。
昨年度は「経営支援」という形で関わらせていただいた皆さんが中心となって協議会を立ち上げ、その場で今度は基調講演をさせていただく。
私自身、とても嬉しく、感慨深い機会となりました。
人生100年時代、「どこで暮らしたいですか?」
講演の前半では、これからの高齢社会についてお話ししました。
資料では、日本全国の100歳以上の方が1963年には153人だったのに対し、2025年には99,763人となっていること、さらに大分県では1,323人、日田市でも84人となっていることをご紹介しました。
人生100年時代。
これからは、仕事を終えた後の「セカンドライフ」が長くなっていきます。
そこで皆さんに考えていただいたのが、
「この先、どんな環境で過ごしたいですか?」
という問いです。
病院なのか、介護施設なのか、それとも住み慣れた自宅なのか。
もちろん、どれが正解ということではありません。
その人の身体の状態や家族の状況、生活環境によって選択は変わります。
ただ、私たちが訪問介護の仕事をする中で、多くの高齢者の方から耳にする言葉があります。
「できることなら、最期まで家で暮らしたい」という言葉です。
「悪くなったら施設に入ればいい」は本当に安心なのか
一方で、介護についてお話しすると、
「子どもたちに迷惑をかけたくない」
「悪くなったら施設に入ればいい」
という言葉もよく聞きます。
講演でも、この考え方について皆さんと一緒に考えてみました。
資料では「人に迷惑をかけたくないから、悪くなったら施設に入るから心配いらない」という言葉を取り上げています。
しかし、介護が必要になったからといって、すぐに自宅での生活を諦めなければならないわけではありません。
介護サービスを上手に利用することで、自宅での生活を続けられる方もたくさんいらっしゃいます。
だからこそ、元気なうちから、
「介護が必要になったときに、どんな選択肢があるのか」を知っておくことが大切だと考えています。
ホームヘルパーは「悪くなってから頼む人」ではない
今回、特にお伝えしたかったのが、ホームヘルパーの本当の役割です。
皆さんは「ホームヘルパー」と聞いて、どのような仕事を想像するでしょうか。
オムツ交換、トイレ介助、入浴介助、食事介助。
あるいは、掃除、洗濯、調理、買い物などの家事をしてくれる人。
こうしたイメージを持っている方は少なくありません
しかし、私が考えるホームヘルパーの大切な役割は、それだけではありません。
「できないことをしてあげる」だけが介護ではありません。
講演では、実際の訪問介護の事例もご紹介しました。
介護というと、「できないことを代わりにしてあげること」と思われがちです。
しかし、何でも代わりにしてしまうことが、本当にその人のためになるとは限りません。
今、自分でできていること。
歩けること。
料理ができること。
洗濯物をたためること。
買い物ができること。
そうした「今できていること」を、できるだけ長く続けてもらう。
そのために必要な部分をサポートすることも、ホームヘルパーの大切な仕事です。
そんな話をお伝えしました。
「その人らしく暮らす」を支える
そして講演の後半では、私たちが実際に関わってきた利用者さんとのエピソードもご紹介しました。
介護が必要になったとしても、人生から「楽しみ」までなくなるわけではありません。
誰かの役に立つこと。
目標を持つこと。
行きたい場所へ行くこと。
会いたい人に会うこと。
利用者さんと取り組んだ「千羽鶴プロジェクト」などの事例をご紹介しました。
千羽鶴をきっかけに人とのつながりが生まれ、62年ぶりに高校時代の同級生と再会することにもつながりました。
私たちが大切にしているのは、ただ生活のお世話をすることではありません。
「誰かを喜ばせることで、自分が喜ぶこと」
「人の役に立つことで元気になること」
そうした生きがいも含めて、その人の暮らしを支えていくことです。
今回の講演タイトルである、
「やっぱり家がいい!」自信を持って言える世の中へ
この言葉には、私自身の思いも込めています。
「施設に入ってはいけない」ということではありません。
施設で暮らすことも、自宅で暮らすことも、その人にとって大切な選択肢です。
だからこそ、「介護が必要になったら施設しかない」ではなく、「自宅で暮らし続ける」という選択肢も持てる社会にしたい。
そのためには、ホームヘルパーという仕事を、もっと多くの方に正しく知っていただく必要があります。
そして同時に、地域の訪問介護事業所がそれぞれ単独で頑張るだけではなく、事業所同士がつながり、行政やケアマネジャー、地域の皆さんと一緒に「地域の在宅介護」を考えていくことも大切だと思います。
今回、その一歩として「日田市訪問介護事業所連絡協議会」が立ち上がり、その基調講演を務めさせていただけたことを大変嬉しく思います。
昨年度、3つの事業所への経営支援から始まったご縁。
最初は別々だった3社がつながり、協議会という新しい形になり、今度はそこに行政や地域の方々、介護関係者が集まる。
人と人、事業所と事業所がつながることで、地域の介護はもっと良くできる。
今回の講演を通して、改めてそう感じました。
これからも訪問介護に携わる一人として、そして介護支援コンサルタントとして、訪問介護事業所の皆さんと一緒に、
年齢を重ねても、介護が必要になっても、「やっぱり家がいい!」と自信を持って言える世の中へ。
その実現に向けて取り組んでいきたいと思います。
■西日本新聞に掲載されました
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株式会社クローバーでは、訪問介護事業を運営する現場経験を活かしながら、介護支援コンサルタント・秦邦仁として、介護や老後、終活などをテーマとしたセミナー・講演活動を行っています。
資料でも、介護支援コンサルタント、セミナー講師・講演活動を事業として紹介しています。
これまでにも、小学校・中学校・専門学校をはじめ、生命保険関係、銀行、介護経営者、NHK文化教室、行政書士、相続診断士、社会保険労務士など、さまざまな方々との講演・活動実績があります。
地域包括支援センター、社会福祉協議会、自治体、企業、生命保険会社、金融機関、介護事業所、地域団体などで、
「介護について分かりやすく話してほしい」
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といったご要望がございましたら、お気軽にご相談ください。
専門用語を並べるだけではなく、介護の現場で経験してきた実例や身近なエピソードを交えながら、「参加した方が自分のこととして考えられるセミナー」を心がけています。
介護は、必要になってから初めて考えるのではなく、元気なうちから知っておくことで選択肢が増えます。
これからも株式会社クローバーでは、介護の現場で培った経験を地域や企業の皆さまにお伝えする活動を続けてまいります。
セミナー内容はこちらから
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