2026年8月27日、明治安田生命のお客様を対象に、「お金で困らない老後の準備~家族に迷惑をかけないために~」をテーマとしたセミナーで講師を務めました。
今回の参加者は、会場とオンラインを合わせて800名超。
明治安田生命5階会議室には60名を超える方にお越しいただき、さらに750名を超える方が、LC(営業スタッフ)さんのタブレットを通じて参加してくださいました。
LCさんがお客様のご自宅などへ伺い、タブレットを一緒に見ながらセミナーを聞いていただくというハイブリッド形式でした。
これだけ多くの方に「介護とお金」についてお話しできたことを、大変うれしく思います。
しかし今回、私が本当に伝えたかったのは、
「介護にはお金がかかります」ということだけではありません。
その背景には、私が訪問介護の現場で長年感じ続けてきた、ある思いがあります。
これまで日本を支えてきた高齢者が、人生の最後に直面する「お金」の問題
私は訪問介護事業の経営者として16年間、高齢者の方々の生活を支える仕事に携わってきました。
スタッフ、ご利用者さん、ご家族、ケアマネジャーなどから、日々さまざまな相談を受けます。
その中で特に難しい相談として挙げられるのが「お金」の相談です。
介護が必要になる。
施設に入りたい。
介護サービスを増やしたい。
しかし、お金が足りない。
そして場合によっては、ご本人だけではどうすることもできず、家族に頼らなければならない。
訪問介護の仕事をしていると、こうした現実に出会うことがあります。
これまで一生懸命働き、家族を育て、日本を支えてきた高齢者の方々が、人生の最後になって「お金」のことで困ってしまう。
私は、この状況を少しでも減らせないだろうかと考えるようになりました。
そこでたどり着いたのが、
「介護が必要になってからではなく、元気なうちに介護にかかるお金を知ってもらう」
ということでした。
今回のセミナーの根底にあるのは、「老後に、お金で困る人を減らしたい。」という想いでした。
まずは「介護を知る」ところから
今回のセミナーでは、最初からお金の話ばかりをしたわけではありません。
介護クイズを交えながら、まず現在の日本の高齢化や介護保険について知っていただきました。
2025年の65歳以上人口が3,619万人であることや、介護保険サービスの自己負担が所得などに応じて1割・2割・3割になることなどもお伝えしました。
なぜ、こうした話から始めるのかといいますと、
それは、介護のお金を考えるためには、まず介護そのものを知る必要があるからです。
「自分はまだ元気だから関係ない」
「介護が必要になったら、そのとき考えればいい」
そう思っている方も多いと思います。
しかし、いざ介護が必要になってから、介護制度や施設、在宅介護、そして必要なお金について一から調べるのは大変です。
元気な今だからこそ、知っておく。
それが将来の選択肢を増やすことにつながると思っています。
「人に迷惑をかけたくないから施設に入る」で大丈夫?
セミナーでは、こんな言葉も取り上げました。
「人に迷惑をかけたくないから、悪くなったら施設に入るから心配いらない」
実際に、このように考えている方は少なくありません。
もちろん、施設介護は大切な選択肢の一つです。
問題は、
「施設に入れば何とかなる」と思っていても、そのために必要なお金については十分に知らないことがあるということです。
介護状態になってから初めて施設の料金を調べ、
「こんなに必要なの?」となってしまう。
だからこそ、まだ介護が必要ではないときから、ある程度の費用を知っておくことが大切です。
介護状態になると、実際いくら必要になるのか
ここから、今回のセミナーの中心である「介護とお金」の話に入っていきました。
令和6年度の生命保険文化センターの調査結果として、介護に要した一時的な費用の平均を47.2万円、月々の費用を9.0万円として紹介しました。
さらに、資料では介護期間を56か月として、
47.2万円+9万円×56か月=542万2千円という一つの目安も示しました。
もちろん、すべての人にこの金額が必要になるという意味ではありません。
介護状態や介護期間、利用するサービス、在宅なのか施設なのかによって費用は変わります。
大切なのは、
「介護には、自分が想像している以上のお金が必要になる可能性がある」ということを知っておくことです。
在宅介護と施設介護では費用も大きく変わる
介護のお金を考えるとき、もう一つ重要なのが「どこで暮らすのか」です。
今回使用した生命保険文化センターの令和6年調査では、月々の介護費用の平均として、在宅介護は5.3万円、施設介護は13.8万円という数字を紹介しました。
だからといって、「施設は高いから在宅がいい」という単純な話ではありません。
大切なのは、自分が将来どんな生活をしたいのかを考え、その生活にはどの程度のお金が必要なのかを知っておくことです。
私が現場で感じる「見えないお金」
そして、ここからが介護現場で仕事をしている私だからこそ伝えたかった部分です。
施設の料金表を見ると、
「居室料はいくら」
「食費はいくら」
「管理料はいくら」
と書かれています。
しかし、実際の介護生活で必要になるお金は、それだけではありません。
私はセミナーの中で、
「見えるお金」と「見えないお金」という表現を使って説明しました。
見えないお金は、介護が始まる前にはなかなか想像しにくいものです。
しかし実際には、その積み重ねが本人や家族の負担になっていきます。
高齢になって、介護が必要になって、自分のお金だけでは足りなくなり、最後に家族へ頭を下げなければならない。そんな状況になるかもしれません。
もちろん、家族で助け合うことが悪いわけではありません。
でも、
「もし元気なときに介護に必要なお金を知っていたら」
「もう少し早く準備することができていたら」
違う選択肢があったかもしれません。
私は訪問介護の仕事をしているからこそ、介護が必要になった「後」だけではなく、介護が必要になる「前」にも伝えなければならないことがあると思っています。
それが「介護とお金」です。
明治安田生命と一緒だからできること
介護の専門家である私が、介護に必要なお金の現実を伝える。
そして、お金について日頃からお客様と向き合っている明治安田生命のLCさんが、将来への準備を考えるきっかけをつくる。
この組み合わせには、大きな意味があると思っています。
実は今回のセミナーに先立ち、7月24日には約400名のLCさんを対象とした事前セミナーを行いました。
そのときに私がお伝えしたのは、
「本番で何を話すのか」だけではなく、「セミナーが終わったとき、お客様にどう思って帰ってもらいたいのか」を共有したい
ということでした。
そして8月27日。
LCさんがお客様に声を掛けてくださり、会場とオンラインを合わせて800名を超える方へ「介護とお金」についてお伝えすることができました。
私一人では、これだけ多くの方に届けることはできません。
今回のセミナーは、講師とLCさんが一緒につくったセミナーだったと思っています。
セミナーのゴールは「知ること」ではなく、その先にある
私は、介護費用の数字を覚えて帰ってもらうことだけが、今回のセミナーの目的だとは考えていません。
本当に大切なのは、
「老後には思った以上にお金が必要なんだ」
「介護になったら、さらにお金が必要になる可能性があるんだ」
「家族に迷惑をかけたくないな」
そして、
「だったら元気な今のうちから、少し準備しておこう」と思ってもらうことです。
介護が必要になってからではなく、その前に知る。
知ったら、考える。
考えたら、自分のできる範囲で準備する。
その積み重ねによって、人生の最後に「お金」で困る方を、一人でも減らすことができるのではないかと思っています。
最後に、セカンドライフを笑顔で過ごすためのポイントとして、
「介護にならないようにいつまでも元気で!」
「お金に困らないように準備すること!」
という2つのメッセージをお伝えしました。
そして最後に掲げたのが、
「やっぱり家がいい!」自信を持って言える世の中へという言葉です。
住み慣れた自宅で暮らす。
自分に合った施設を選ぶ。
家族と相談して、自分らしい暮らし方を選ぶ。
どれを選択するとしても、お金が理由で選択肢を失ってしまわないことが大切だと思います。
これまで日本を支えてくださった高齢者の皆さんが、人生の最後まで安心して、自分らしく、笑顔で暮らせるように。
これからも介護現場で経験してきたことを伝えながら、「老後に、お金で困る人を減らす」ための活動を続けていきたいと思います。
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「介護とお金」「在宅介護」「ホームヘルパー」「セカンドライフ」などをテーマに、一般の方向けのセミナーをはじめ、生命保険会社・金融機関・企業・介護事業所・自治体・地域団体などを対象とした講演・研修を行っています。
対象者や開催目的に合わせて、介護現場での実例や具体的な数字を交えながら、「聞いて終わり」ではなく、これからの行動につながる内容を組み立てます。
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