こんにちは、大分県大分市のホームヘルパーの事業所である訪問介護のみかた、介護支援コンサルタントの秦です。
誰でも一度は、「介護のお金っていくら必要なんだろう?」と考えたことがあるでしょう。
「できるだけ負担は少なくしたいけど、良い制度ってあるの?」なんて悩んでいる方もいると思います。
今回は、介護のお金はいくらかかるのかということや、介護のお金を軽減させる制度についてご紹介していきましょう。
介護のお金はいくらかかる?
生命保険文化センターが行った調査によると、月々の介護費用は平均8.3万円、住宅改造や介護用ベッドの購入費などの一時的費用は平均74万円とされています。(参照:生命保険文化センター)
介護費用の内訳としては、介護施設利用費や在宅介護サービス利用費、介護食などが挙げられるでしょう。
平均的な介護期間は5年1ヶ月であり、4年を超えて介護した人も約5割という結果が出ています。
介護施設やサービスの利用に必要なお金とは
介護のお金を考えるうえで外せないのが、「介護施設と在宅介護のどちらを利用するか」ということではないでしょうか。
こちらでは、介護施設サービスの料金と在宅介護サービスの料金について、解説していきます。
介護施設サービスの料金
施設によっても異なりますが、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1ヶ月の自己負担額の目安は以下の通りです。(参照:厚生労働省 サービスにかかる利用料)
施設サービス費の1割 | 約25,200円 |
居住費 | 約25,650円 |
食費 | 約43,350円 |
日常生活費 | 約10,000円 |
合計 | 約104,200円 |
※要介護5の方が多床室を利用した場合
在宅介護サービスの料金
家計経済研究所の調査によると、介護施設サービスにおける1ヶ月あたりの平均利用料金は以下の通りです。(参照:家計経済研究所)
要介護1 | 7,000円 |
要介護2 | 14,000円 |
要介護3 | 25,000円 |
要介護4 | 17,000円 |
要介護5 | 21,000円 |
全体平均 | 16,000円 |
上記以外にも、おむつ代など在宅介護サービス外の費用が平均34,000円かかるそうですが、介護施設を利用するよりも安く抑えられますね。
「でも、ずっと家で介護を続けるのは大変…」という方は、自宅を訪問して生活のサポートをしてくれるホームヘルパーを検討してみてください。
介護のお金は誰が払う?
介護のお金は、基本的に本人の資産でまかなうとされています。
多くの方が親の貯蓄額を把握していないものなので、この機会に聞いてみるのも良いでしょう。
一方、親の貯蓄で介護をするのが難しい場合は、家族で相談した後で子どもが負担するケースもあります。
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介護のお金と切り離せない!「介護保険制度」とは
介護のお金を考えるうえで、必ず知っておきたいのが「介護保険制度」です。
こちらでは、介護保険制度の概要と自己負担額についてお話します。
介護保険制度の概要
介護保険制度とは、介護が必要な方にお金を給付し、以下5種類のサービスを受けられるようにする制度のこと。
- ・居宅サービス:ホームヘルパーや看護師が自宅に訪問してサポートするサービス
- ・地域密着型サービス:住み慣れた地域で生活できるようにサポートするサービス
- ・施設サービス:24時間体制で、介護などの様々な支援をしてくれる施設に入所できる
- ・介護予防サービス:高齢者の状態悪化を防ぐために、生活機能の維持向上や改善を目的としたサービス(住宅改修工事にも利用可能)
- ・地域密着型介護予防サービス:住み慣れた地域で生活できるようにサポートするサービス(要支援1・要支援2向け)
介護保険制度のサービスを受けるには、自治体に申請を行い、要介護や要支援認定があります。
自己負担額はいくら?
介護保険制度のサービスを受けるには、原則として1割の自己負担額が必要です。
一方、「合計所得金額が160万円以上なら2割負担、220万円以上なら3割負担」とされることも。
以下では、要介護度別に自己負担額をご紹介していますが、詳しくはお住いの自治体で聞いてみてください。
要介護度 | 利用限度額 | 自己負担(1割) | 自己負担(2割) | 自己負担(3割) |
要支援1 | 50,320円 | 5,032円 | 10,064円 | 15,096円 |
要支援2 | 105,310円 | 10,531円 | 21,062円 | 31,593円 |
要介護1 | 167,650円 | 16,765円 | 33,530円 | 50,295円 |
要介護2 | 197,050円 | 19,705円 | 39,410円 | 59,115円 |
要介護3 | 270,480円 | 27,048円 | 54,096円 | 81,144円 |
要介護4 | 309,380円 | 30,938円 | 61,876円 | 97,814円 |
要介護5 | 362,170円 | 36,217円 | 72,434円 | 108,651円 |
介護のお金を軽減させる制度
介護のお金を軽減させる制度は、介護保険制度以外にもいくつかあります。
- ・高額介護合算療養費制度
- ・高額介護サービス費制度
- ・家族介護慰労金
- ・介護休業給付金
では、中でも代表的な上記4つの制度についてご紹介していきましょう。
高額介護合算療養費制度
高額介護合算療養費制度とは、医療保険と介護保険における1年間の自己負担額が高額な場合、自己負担を軽減する制度です。
「国民健康保険、被用者保険、後期高齢者医療制度の各医療保険における世帯内であること」など、いくつかの条件がありますが、該当する際は申請によって自己負担額の一部が払い戻しされます。
高額介護サービス費制度
高額介護サービス費制度とは、1ヶ月に支払った利用者負担額の合計が負担限度額を超えた場合、上限額を超えた分が返還される制度です。
高額介護サービス費の上限額は所得で変わり、介護サービスの中には対象外のものもあるので、気になる方は自治体に聞いてみましょう。
家族介護慰労金
家族介護慰労金とは、介護サービスを利用せず、1年間要介護4〜5の要介護者のサポートをしている家族に、自治体から支援金が支払われる制度です。
自治体によって給付の条件が異なったり、実施していなかったりするので、お住いの自治体に確認してみてください。
介護休業給付金
介護休業給付金とは、家族を介護するために休職した人へ、給付金が支払われる制度です。
基本的に給料の67%を支給されるので、やむを得ず仕事を休んだ場合は、ぜひ申請してみましょう。
介護のお金で悩んだら、専門家に相談してみよう。
介護のお金がいくらかかるのかは状況によって異なり、制度も様々なものがあるため、「大丈夫かな…」と悩んでいる方も多いでしょう。
そんな方におすすめなのが、介護の専門家に相談することです。
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介護のお金、まとめ
今回は、介護のお金はいくらかかるのかということや、介護のお金を軽減させる制度についてご紹介しました。
介護のお金は、月々平均8.3万円、住宅改造などの一時的費用は平均74万円とされています。
国内には、介護保険制度を筆頭に様々な制度があるので、上手に利用して少しでもお金の負担を軽減させていきましょう。