
こんにちは。
大分ホームヘルパー訪問介護のみかたです。
介護のみかたのヘルパーの仕事の中のひとつに【生活環境を整える】という項目があります。
ご自宅で、できるだけ長く生活するためには、生活環境を整えることは大切です。
今回は、お薬を間違って飲まれていた方の事例です。
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先日、おひとり暮らしをされているご利用者様のH様の娘さんから連絡がありました。
「昨日、母の所に行って薬を見たら、3日分間違えて飲んでるみたいなんです。」
「何か、間違えずに薬が飲めるようになるいい方法はないですか?」という内容でした母が
訪問しているご利用者さんのほとんどの方がお薬を服薬されています。
ご自分で管理されている方がいたり、ご家族が管理している方、看護師が訪問して管理している場合もあります。
私たちホームヘルパーも訪問介護サービスの中に服薬介助という項目があります。(服薬介助の内容は記事の一番下に詳しく書いています)
H様は今まではお薬はご自分で服薬できていたのですが、最近飲み忘れが増えてきていました。
服薬に間違いがあるなら、本人とご家族とケアマネジャーと話し合って計画書に入れる必要があります。(計画書のことをケアプランと言います。このケアプランに入っていないサービスは追加して初めてヘルパーが行うことができます)
ちなみにH様は毎日、朝1回の薬を袋から出して服薬されています。
現在、H様が活用している介護のサービスは、
通所サービスとホームヘルパーで週3回は訪問するので、その時は服薬の確認が出来ます。
娘さんは週1回、様子を見に行ってくれています。
ということは、週4回は誰も家に訪問することがないという事です。
そこで当社スタッフで、どうやったら薬を飲めるのかという会議をしました。
まず会議では、
どうやったら飲めるのか?ではなく
なぜ、薬を間違って飲んでしまうのか?を話し合います。
意見は色々と出たのですが、
今回は、
「今日が何日で何曜日かが理解できていないのではないか?」という話になりました。
そこで、カレンダーに薬を貼って、テーブルの上に日付をめくれるカードを手作りで作りました。
H様は毎朝の日課として、新聞をポストに取りに行き、テーブルに座って読みます。
その新聞を読むときに
新聞の日付と、日めくりカレンダー(手作り)を合わせ、
その日付とカレンダーを見て、貼ってある薬を飲む。
この行動をルーティンになるようにしてみよう。ということになりました。
そして、これの方法で2週間、試してみました。
で、どうだったか???
残念ながら、飲めませんでした。
飲めなかった原因は、
手作りのカレンダーをめくることが出来なかったからです。
どうしたら、飲めるようになれるのか再度ミーティングで話し合ったところ、
『電子カレンダーにしてみてはどうか?』という案がでました。
さっそく、娘さんに連絡を取り、説明をして電子カレンダーを買ってもらうことにしました。
この方法を試し始めて約3週間、
現在のところ、しっかり薬は飲めています(^.^)
娘さんから、
『母が、薬が飲めるようになりましたね~!』
『うれしいです!』と連絡がありました。
いえいえ、こちらも嬉しいです。
わざわざ連絡していただきありがとうございます。
ご利用者様が出来ないからヘルパーが介助する、これも大切ですが、
出来ない原因が分かれば、ちょっとした工夫で、生活環境が改善され出来るようになることって多いです。
生活環境を整える、ヘルパーの大切な仕事のうちのひとつです。
※
■訪問介護の服薬介助とは
訪問介護員が行う服薬介助は、身体介護のサービスに含まれています。
服薬介助は、医師から処方された薬を利用者に安全に内服してもらうための介助です。
服薬介助は場合によっては医療行為に当たることもあるため注意が必要です。訪問介護の服薬介助とは
■訪問介護員が服薬介助でできること
厚生労働省から出されている通達によると、
水と配薬された薬の準備と確認
内服の手伝い
後片付けと確認
をするように記されています。
上記の内容から、訪問介護員ができることは、
一包化(1回分の薬を1つの袋にまとめてある状態のもの)された薬をテーブルに準備すること
本人が薬を飲むのを手伝うこと
後片付け(薬袋の始末)をすること
が行っても良い業務であるといえます。
■訪問介護員が服薬介助をしてはいけない場合
上記が訪問介護員ができる範囲であることがわかりましたが、反対にできないことも頭に入れておかなければなりません。
厚生労働省より医師法・歯科医師法・保助看法の解釈について通達を出されています。
下記のような場合は医療行為に該当するため、訪問介護員による服薬介助は行うことができません。
入院等をして治療する必要があり、状態が安定していない
副作用の危険性が高いものや投薬量の調整をするため、医師や看護師が続けて状態を経過観察しなければならない状態
誤嚥や肛門からの出血など、専門的な配慮が必要な場合
一包化されていない(PTPシートから出す)状態の薬
以上、ホームヘルパーの服薬介助のお話でした。