こんにちは、大分県大分市のホームヘルパーの事業所である訪問介護のみかた、介護支援コンサルタントの秦です。
「訪問介護ヘルパーとしてスムーズに働けるように、やってはいけないことやできないことを知っておきたい」と思っていませんか?
利用者の日常生活を援助する訪問介護ヘルパーですが、依頼によっては引き受けられないものがいくつかあります。
今回は、訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことについて詳しく解説していきましょう。
「訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないこと」か見分ける方法
「これって訪問介護ヘルパーがやってはいけないことかな?」と悩んだときは、以下3つのポイントを押さえて見分けてみてください。
- ・訪問介護の業務として可能か考慮する
- ・市町村のルールを確認する
- ・ケアマネジャーに相談する
それぞれの見分ける方法についてご説明します。
訪問介護の業務として可能か考慮する
まずは、訪問介護の業務として可能かどうかを考えていきましょう。
訪問介護ヘルパー(ホームヘルパー)は、以下のように「介護保険に基づくサポートをする仕事」なので、業務外のものは対応範囲外となります。
【介護保険に基づくサポート】
- ・要支援・要介護高齢者が対象
- ・要介護状態の軽減や悪化の防止を目標に、サポート内容を設定
- ・利用者の自宅に訪問し、介護や生活援助を提供する
例えば、利用者以外の利益が見込まれることや、利用者が1人でできることはサポート不可と判断されることがあるので、注意しましょう。
市町村のルールを確認する
ホームヘルパーがやってはいけないこと・できないことは、市町村によっても異なります。
それぞれの自治体で訪問介護における判断基準が作成されているので、サービスを提供しても良いか迷ったときは確認してみるのがおすすめです。
ケアマネジャーに相談する
訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことに悩んだら、ケアマネジャーに相談するのも良いでしょう。
ケアプランの作成やサービス事業者との調整を行うケアマネジャーは、介護保険に関するスペシャリストです。
訪問介護ヘルパーはケアプランに基づいてサービスを提供するので、支援として必要かどうか確認してみてください。
訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないこと【リスト付】
こちらでは、以下3種類にわけて、「訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないこと」を「できること」と共にご紹介します。
- ・身体介護編
- ・生活援助編
- ・医療ケア編
もちろん、利用者の状況や市町村などによって介護範囲は異なるので、一例として参考にしてみてください。
身体介護編
身体介護において、訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことは以下の通りです。
できること | やってはいけないこと・できないこと |
食事介助 | |
排泄介助 | |
清拭 | マッサージ |
部分浴 ・全身浴 | |
洗面・身体整容 | |
更衣介助 | |
体位変換 | |
移乗・移動介助 | リハビリテーション |
通院・外出介助 | ・通院以外の送迎 |
起床・就寝介助 | |
自立支援・重度化防止のための見守り的援助 |
生活援助編
生活援助の観点として、訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことは以下の通りです。
できること | やってはいけないこと・できないこと |
【掃除】
| 【掃除】
|
【洗濯】
| 【洗濯】
|
【ベッドメイク】
| |
【衣類の整理・被服の補修】
| |
【一般的な調理、配下膳】
| 【一般的な調理、配下膳】 利用者以外の分の調理 |
【買い物・薬の受け取り】
| 【買い物・薬の受け取り】
|
医療ケア編
最後に、医療ケアにおける訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことをご紹介します。
できること | やってはいけないこと・できないこと |
【爪切り】
| 【爪切り】 爪に異常があるときなどの爪切りや爪やすり |
【耳掃除】 耳垢の除去 | 【耳掃除】 耳垢塞栓の除去 |
【口腔ケア】 歯ブラシなどのケア | 【口腔ケア】 重度の歯周病がある場合などのケア |
【薬】 服薬介助 | 【薬】
|
【処置】 専門的な判断や技術が必要ない処置 | 【処置】 専門的な判断が必要な傷の処置 |
【測定】
| 【測定】 水銀血圧計での血圧測定 |
「訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないこと」を頼まれたら?
「訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないこと」を頼まれたら、以下のことを行ってみてください。
- ・ケアプランを変更すべきか検討する
- ・自費サービスを提案する
上記2つの対処法について解説します。
ケアプランを変更すべきか検討する
まずは、ケアマネジャーに相談し、ケアプランを変更すべきか検討してみましょう。
ホームヘルパーは、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて援助をするため、突発的な依頼を受け入れることはできません。
利用者本人や家族の意向を確認したり、サービス担当者会議を行ったりしながら、変更が必要かどうかを考えていきましょう。
自費サービスを提案する
利用者の依頼が保険適応外の場合、介護保険を使用せず自費サービスとして提供することもあります。
ケアマネジャーに自費サービスで可能か相談し、問題ないようなら提案してみてください。
訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことの断り方
「訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことを、保険適応内で行なってほしい」といわれることもあるかもしれません。
こちらでは、「身体介護編」「生活援助編」「医療ケア編」の3つにわけて、起こりがちなシチュエーションと断り方をお話していきましょう。
身体介護編
やってはいけないこと・できないことの依頼 | 依頼された時の断り方 |
マッサージをしてほしい | 「本格的なマッサージはできないので、温かいタオルで身体を拭きますね」 |
散髪をしてほしい | 「プロにやってもらった方が、おしゃれになりますよ」 |
マッサージは医療行為と捉えられることがあるため、温かいタオルで拭くなどの工夫をするのがベスト。
また、散髪やひげ剃りは理容行為とされているので、プロの方を勧めてみましょう。
生活援助編
やってはいけないこと・できないことの依頼 | 依頼された時の断り方 |
家族の晩ごはんも作ってほしい | 「介護保険で来ているため、ご本人様のことしかお手伝いできません」 |
タバコを買ってきてほしい | 「お医者様から止められているので、買いにいけません」 |
ホームヘルパーは、介護保険に基づいて利用者の援助だけできるので、利用者以外のサポートは断る必要があります。
また、タバコやお酒などの嗜好品は、生活を送るための必需品とはいえないため購入できません。
医療ケア編
やってはいけないこと・できないことの依頼 | 依頼された時の断り方 |
摘便をしてほしい | 「医療行為になるためできませんが、お腹を温めますね」 |
床ずれを処置してほしい | 「傷口をきれいにしますね。あとは訪問看護師に伝えておきます」 |
摘便は医療行為になりますが、お腹を温めるなどできる範囲でサポートしてみてください。
床ずれのような大きな傷も応急処置しかできないので、早期に訪問看護師へ伝えると安心です。
訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないこと、まとめ
今回は、訪問介護ヘルパーがやってはいけないこと・できないことについて解説しました。
できるだけ利用者の力になりたい方も多いかと思いますが、介護保険の観点からサポートできないことは複数あります。
この記事でご紹介した頼まれたときの対処法や断り方などを参考に、ストレスフリーな援助を行なっていきましょう。
もし、大分県でホームヘルパーの働き方が気になっている方は、お気軽に当社へご相談ください。
私たちクローバーでは、働く日時を自由に選べたり扶養の範囲内で働けたりなど、自分のペースで仕事ができます。
自分らしくいられる働き方で、一緒にお年寄りの方へ幸せを届けていきましょう。