30-60歳代の9割は、自分に介護が必要となった場合、金銭面や家族への負担が増すことを不安と感じていることが、第一生命経済研究所の「自分の介護の準備に関する調査」で分かった。調査では、大多数の人は介護に関心を持っているにもかかわらず、制度や公的保険に関する知識については十分ではない人が多い実態も明らかになった。同研究所では「情報不足が介護への不安を増大させているのではないか」と分析している。
第一生命経済研究所では、昨年11月29日から12月13日にかけて、全国の30歳から69歳までの男女1200人を対象に調査を実施。1092人から回答を得た。
将来、自分に介護が必要になった時の不安に関する項目では、「自分の介護にいくらお金がかかるか分からないこと」について、47.1%が「かなり不安に思う」と回答。「ある程度不安に思う」という回答と合わせると、91.8%に達した。同様に「家族に精神的負担をかけるかもしれないこと」や「家族に肉体的負担をかけるかもしれないこと」についても、不安を感じていると答えた人(「かなり不安に思う」「ある程度不安に思う」)は、90%を超えた。
■自分の介護のための準備「特にしていない」が半数近く
一方、自分に介護が必要になったときのための準備については(複数回答)、「特に準備はしていない」が45.7%で最も多く、以下は「預貯金をする」(43.5%)、「公的介護保険制度について情報を集める」(17.4%)、「介護の手段や方法について情報を集める」(16.2%)、「地域の人とのかかわりをもつ」(12.7%)などと続いた。
介護に関する知識を尋ねた質問では(複数回答)、「公的介護保険のサービスを利用した場合の自己負担割合は原則1割」について知っている人が42.6%、「65歳以上の人は原因にかかわらず介護が必要になった場合に公的介護保険のサービスが受けられる」ことを知っている人は41.2%にすぎなかった。「公的介護保険の保険料は40歳から納める」ことを知っている人も69.0%にとどまった。
調査を担当した第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部の水野映子上席主任研究員は、同じ調査で、公的介護保険の制度の仕組みや公的介護保険のサービスを受けるための方法などについて、80%以上の人が「関心はある」と答えていることに着目。「介護への関心は高いのに、正しい情報を得る機会が少ないことが、かえって将来への不安を生んでいるのではないか」と話している。
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- 大分訪問介護・クローバー通信
- 自分の介護、「金銭面に不安」が9割- 第一生命経済研究所が調査
- 秦 邦仁
- 株式会社クローバー
代表取締役
2011年に大分市で訪問介護サービス「ヘルパーステーション介護のみかた」を開所。自宅で元気に長生きできる独自のシステムを開発し、高齢者の生活をサポートしている。また、介護支援コンサルタントとして、小学校から老人クラブまで年齢層に関係なく介護セミナー活動も行っている。
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