こんにちは、大分県の訪問介護のみかた、介護支援コンサルタントの秦です。
介護の仕事には施設介護と在宅介護の2種類があり、在宅介護で働いている人を「ホームヘルパー」と呼びます。
世の中には、介護の仕事に過去に関わったことがある方、また現在関わっている方は多いのですが、ホームヘルパーとして働いたことがある方は非常に少ないのが現状です。
少ない理由は、
料理がそんなに得意ではない、冷蔵庫の余り物でチャチャっと2、3品作るなんて無理、ヘルパーは若い人が働いているイメージで年配の人が多い、人の家の中に入るのが苦手、1人で訪問することが多いため責任がともなう、などといった声を聞きますが、
少ない1番の理由は、「ホームヘルパーのことを知らない(知ろうとしない)」ことだと思っています。
実際に上記のような理由で最初はホームヘルパーの仕事にマイナスなイメージを持っていた人が、働き始めて「思っていたのと違ってすごく楽しいです!」という声を多く聞きます。
せっかく介護の免許を取得したのに、ホームヘルパーの仕事に関わった(経験した)ことがないのは実にもったいない!と感じています。
そこで今回は、実際に介護の現場で働いている方たちから聴いた、ホームヘルパーの魅力をお伝えしていきます。
みんなが知らないホームヘルパーの魅力
当社も訪問介護事業所を開所して13年が経ちました。ありがたいことに開所当時から働いてくれている方から、最近入社してくれた方まで様々な年代の方がいます。
今回は、実際に当社で働いてくれているスタッフの事例を交えながらホームヘルパーの魅力を書いていこうと思います。
では、実際に当社で働いてくれているスタッフの事例を交えながらホームヘルパーの魅力を書いていこうと思います。
自由に働く時間を決められ、短時間でも働ける
ホームヘルパーは、正社員・契約社員だけでなく、パートや、登録ヘルパーという働き方があり、働き方にもよりますが、パートや登録制のヘルパーであれば、自分の好きな時間で働くことができます。
自分のスタイルに合わせて、隙間時間で短時間に働くことができ、登録ヘルパーであれば、1時間(短時間)だけの勤務や、午前中だけの勤務、週に1回だけの勤務や、ダブルワーク(副業)が可能な場合が多いです。
当社のスタッフでいうと、20代、30代、40代でお子さんがいる人は、子供や家族の時間を中心に働く時間を決めていますし、50代のスタッフの中には自分の趣味を優先して働いている人もいます。
60代のスタッフは、自分の親の介護を中心に働く時間を決めている方もいます。
他には、他の仕事を行いながら休みの日に働いている方もいますし、自分の夢や趣味を大切にしながら働いている人もいます。
このように、自分の時間を確保しながら空いている時間に働くケースも多く、プライベートを大切にしながら勤務できるのがホームヘルパーの魅力の一つです。
1対1のケアだから、ご利用者さんに合ったサービスを提供できる
施設では介護をする利用者も1人ではなく大勢いますが、訪問介護は、利用者1:介護者1(1対1)の関係になります。
「1対1のケア」だから
その人らしさを大切にしたオーダーメイドのメニューを作ることができ、ご利用者さんとの関わりも深くなり、その方が家でできるだけ長く生活できるサポートを行うことができます。
1対1が不安という方もいますが、何かあったときは連絡すれば、訪問診療の先生や訪問看護師がサポートしてくれます。
当社ではオリジナルの緊急時の連絡網をしっかりと作成し、何かあった時にスタッフが安心して働ける環境を作っています。
また介護施設での勤務は、他のスタッフと一緒に働くため、周囲から学び、相談することもできますが、しかしそこにわずらわしさや不自由さを感じる人は、訪問介護の方が働きやすい場合があります。
当社で働く30代のスタッフは、施設で12年働いた後にホームヘルパーをしていますが、「施設も訪問も両方経験したけど、私はひとりのご利用者さんにゆっくり関わることができるので、私には訪問介護が合っていて毎日が楽しいです!」と言っています。
このように、1人1人のご利用者さんに、ゆっくり関わることができるのもホームヘルパーの魅力です。
ご利用者さんの生活(人生)をより良い方向に導くことができる最高の仕事
ホームヘルパーの仕事は、ご利用者さんの願いである、「このまま自分の家でできるだけ長く生活したい」という思いをサポートする仕事です。
よって、ただの家政婦さんのように依頼されたことをこなすだけではなく、ご利用者さんの生活をより良いものへと変化させることができる仕事です。
当社でも、ご利用者様にあったオリジナルのサポートメニューを作成して訪問しています。
例えば、
80代前半の女性のご利用者さんは、認知症で料理を作れなくなった(作ることを忘れた)のですが、ホームヘルパーと一緒に料理をすることによって料理をする流れを思い出し簡単な料理が作れるようになった方もいます。
80代後半の男性のご利用者さんは、身体の動きが悪く外出するのが億劫だった人が、ホームヘルパーと一緒にラジオ体操や簡単な筋トレを一緒に行うことで、身体の動きがよくなり外出できるようになりました。
また、70代後半の女性のご利用者さんは、部屋の空気の入れ替えや掃除を全くしていなくて暗い部屋で生活していた結果、で本人まで暗くなっていたのですが、ホームヘルパーと一緒に掃除をしてお部屋が明るくなり、掃除をしながら話をすることで明るさを取り戻された方もいます。
このように、ホームヘルパーが訪問することにより、多くのご利用さんが暮らしをより良く変化させ、その質を高めることができるようになったという事例は多くあります。
ご利用者さんの生活状況を把握し、ご利用者さん生活の質の向上をサポートできるという点がホームヘルパーの魅力のひとつです。
働くうちにホームヘルパー自身も成長することができる
ホームヘルパーの仕事は、社会的な貢献度が高く、やりがいのある仕事であるとともに、その中から得られるものも多い、そんなすてきな仕事です。
ご利用者さんの話し相手になったり、相談相手になったりすることで、ご利用者さんの心の支えになることができ、ホームヘルパー自身もまた、ご利用者さんから元気や笑顔をもらい幸せな気持ちをもらい、やりがいを感じることができています。
そして、ご利用者さんと関わっていく中で、多くのことを学んで、人として成長していくことができているのです。
当社の20代の女性ヘルパーは、人と話すのが苦手であまり積極的ではなかったのですが、ご利用者さんの多くが自分(ご利用者さん)の孫のように接してくれるようなり、頼りにされるようになりました。
その結果、もっとご利用者さんのために何かしたい、もっと喜んでほしいと思うようになり、積極的に話しかけるようになり、いまではコミュニケーションの達人になっています。
「人は人から磨かれる」ではないですが、ホームヘルパーの仕事は、ご利用者さんから学ぶことも多く、自分自身を成長させることのできる魅力的な仕事だと言えます。
現場の声から伝わる、ホームヘルパーの魅力
さてここからは、実際に当社でホームヘルパーとして働いているスタッフの皆に、自分たちが働いていて、「ここが、ホームヘルパーの魅力なんだよね!」と思った点について聞いてみました。
自由度の高い働き方で、自分(家族)の時間を大切にできる
「ホームヘルパーの魅力って何ですか?」という質問に対して一番多かったのは、働く時間・働き方に魅力を感じているという答えでした。
「勤務時間を9時から14時までにしたい」、「月・水・金曜日だけ働きたい」、「土日は休みたい」といったように、自分の働きたい時間を選んで働ける、家族の時間を中心に働くことができる、それが魅力だと言っていました。
例えば、
当社の20代の女性スタッであるHさんは、お子さんが4歳で幼稚園に通っているのですが、勤務時間は幼稚園の送り迎えの時間に合わせて平日は9時30分~14時までの勤務にしています。
また、毎週水曜日は自分の趣味の時間としてお休みしています。もちろん土日は家族の時間ということでお休みです。
お子さんが小さいので、急に体調が悪くなったりすることがありますが、そんな時もすぐにお休みが取れるように勤務を組んでおり、安心して休める体制を整えています。
以前は介護施設で働いていて、なかなか短時間で働くことができなかったので家族の時間を削っていましたが、今は家族の時間を中心に働くことができており、子供も喜んでいると言っていました。
また、30代、40代の子供がいる女性スタッフは、子供の習い事や部活の送り迎え、参観日やPTA活動など家族の時間や自分の時間を確保しつつ働いてくれています。
このように、自分や家族の時間を大切にしながら働くことができるのが、ホームヘルパーの魅力のひとつです。
訪問した時に多くの感謝の言葉を頂くことができる
次に多かったのが、
ご利用者さんから、「いつもありがとう」「○○さんがいてくれてとても助かっている」といった感謝の気持ちをダイレクトに伝えてもらえるのが魅力的だという答えでした。
施設で行う介護も同様の機会はあるかもしれませんが、訪問介護は1対1なのでサポートを行ったときに頂く感謝の言葉は、嬉しさもとりわけ大きいのだと感じます。
70歳でヘルパーの免許を取得して働いてくれている女性ヘルパーのMさんは、
この仕事をしていて思うのは、「人の役に立ち、人から『ありがとう』と言われるのがどんなに嬉しいことか、本当にホームヘルパーの仕事に出会えてよかった」と言われます。
その方が面接の来られた時に
「年齢を重ねると、人からありがとうという感謝の言葉を言われるのが減るのよね」と言っていました。
Mさんは、60歳で定年して70歳までの10年間、旅行や趣味に時間を使ったそうです。
70歳を迎え、自分の健康のためにホームヘルパーの免許を取得して当社で働いてくれているのですが、働き始めて1ヶ月が経った頃に
「60歳から70歳の10年間でありがとうと人から言われた回数が、ホームヘルパーの仕事を始めて1ヶ月で超えたわ!」
「人の役に立つ、って本当に嬉しいことよね」と笑顔で話してくれました。
そう話してくれたMさんの嬉しそうな顔が、今でも忘れられません。
他にもご利用者さんから頂ける感謝の言葉が嬉しいと言っているスタッフは多く、やはり人の役に立ってありがとうと言われるのが、ホームヘルパーの大きな魅力のひとつだと思います。
人生の先輩から色々なこと学ぶことができる
ホームヘルパーの仕事は、ご利用者さん一人ひとりに関わる時間が長いので、話の中から色々なことを教えてもらえます、その点に魅力を感じるというスタッフも多いです。
例えば、
料理が苦手だったスタッフが、ご利用者さんと一緒に料理を行うことで料理が出来るようになると言ったことはよくあります。
先日、結婚した20代の女性スタッフのYさんは、ホームヘルパーの仕事を始めるまでは家事をあまりやったことがありませんでした。
しかし、訪問先のご利用者さんと一緒に掃除や料理などの家事を教えてもらいながら働いた結果、3年後には家事が得意になり、「ホームヘルパーの仕事は花嫁修業を行いながらお金がもらえる仕事」と笑顔で言っていました。
また、訪問している時に色々な話をしてくれるので、昔話の中から学べることは多いです。
40代の男性スタッフのHさんは、お花が大好きなご利用者さんからお花の育て方を習い、自分の家の庭がお花でいっぱいになったと喜んでいましたし、
50代の女性スタッフのOさんは、ご利用者さんと田舎の料理を一緒に作ることで田舎料理が得意になり、地区の集まりでその料理を作ってすごく喜ばれたそうです。
また、今はあまり使われていない大分の方言を聴いて、その方言で自分の祖父母に話すと、「よくそんな方言を知っているね~」と驚いてくれて、そこから今まで聞いたことがなかった昔の思い出を聴くことができたという話も聞きました。
他にも、
ご夫婦で生活されている姿を見て、夫婦の愛を感じることができたり
ご利用者さんの家族への想いを聴くことにより、家族の大切さに気付いたり
もっともっと、書きたいのですが、今回はこのへんにしておこうと思います(^-^)
人生の大先輩が長い人生の中で得た経験や知恵を聴くことで、自分がこれから生きていく上で大切なことを学ばせてもらっていると思います。
当社のスタッフの話を聴いていて、ホームヘルパーの仕事って本当にいい仕事だな!とあらためて気づかされることが多かったです。
まとめ
今回は、「ホームヘルパーの魅力」という視点で書いてきました。
働き方は人それぞれで働く理由も人それぞれです。ホームヘルパーの仕事は、自由度が高い働き方もあるので、プライベートと両立させたい方には本当にピッタリの仕事です。
少しでも多くの方に、ホームヘルパーの魅力が伝わればいいなと思います。
当社では、現在、ホームヘルパーが更に働きやすいようになるための様々な仕組を構築しています。
その1つが
「働いてくれ」ではなく「働いてもいいよ」という働き方です。
通常は、事業所側の都合で働く時間を決めたり、働く内容を決めたりすることが多いです。
そうではなく、働く人が「私、この時間働いてもいいですよ」と自分でスケジュールを決めるような働き方を進めています。
また、「自分の得意を仕事に活かそう!」ということで、
料理が得意な方には、料理が必要なご利用者さんの所に訪問してもらったり
掃除が得意な方には、掃除が必要なご利用者さんの所に訪問してもらったり
身体介護が得意な方には、身体介護が必要な方の所に訪問してもらったり
このように、苦手なことをするのではなく、「自分の得意なことでご利用者さんのみんなを笑顔にしよう!」という取り組みも好評を得ています。
もしかしたら、当社、訪問介護のみかたで、自分の目指す働き方が見つかるかもしれません。
介護の免許を持っているがホームヘルパーの仕事を経験したことが無い方やホームヘルパーとして働いているがもっとやりがいを持って働きたいと思っている方、そしてホームヘルパーの仕事に興味がある方は是非、一度ご連絡を頂ければと思っています。