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⁡介護の現場にこそ、マーケティングの心を

2025/10/26
訪問介護のみかた
大分ホームヘルパー訪問介護のみかた介護支援コンサルタントの秦です。

今日は介護とは少し遠いと思われているマーケティングの話です。

お昼の訪問。
今日のサポートは入浴介助。

玄関のチャイムを鳴らすと、ご利用者さんの娘さんが少し不安そうな顔で出てきた。



「昨日、明日はお風呂に入りたくないって言っていたので、もしかしたらお風呂の拒否があるかもしれません。」

そう言われた瞬間、ヘルパーはそっと笑って答える。

「じゃあ、今日はいつもより様子をよく見てお話ししてみますね。」

その笑顔に、娘さんの表情がやわらぐ。

何気ないやりとり。
けれど、その瞬間に信頼が生まれている。

この小さな積み重ねこそが、ホームヘルパーという仕事の“ブランド”だとしたら・・・。

実は、これこそがマーケティングの本質なんです。


■「マーケティング=売り込み」ではない

「介護にマーケティングなんて必要あるの?」

そう思う人もいるかもしれません。

けれどマーケティングとは、“どう売るか”ではなく、“なぜ選ばれるのか”を考えること。

誰かの困りごとを見つけ、どうすればそれを解決できるかを追いかける営みです。

つまり、介護の現場そのものが、すでにマーケティングの最前線なんです。


■「誰からも選ばれたい」ではなく、「この人に選ばれたい」



介護の仕事をしている人は、みんな優しい人は多いです。

また誰よりも一生懸命に、人のために動いていると思っています。

でも、制度も料金も似ている中で、「どこも同じに見える」と言われてしまう。

だからこそ、自分たちの“想い”を言葉にすることが大切です。

「どんな方を支えたいのか」
「どんな瞬間に喜びを感じるのか」

その答えこそが、あなたの仕事の“選ばれる理由”になる。

誰にでも好かれようとすると、想いは薄まります。

けれど、「この人に届けばいい」と願って語る言葉は、必ず誰かの心に届く。

それが、本当のマーケティングです。


■“伝える”より、“見つける”が先



「もっと利用者さんを増やすには?」

そう考えると、つい“どう伝えるか”を工夫しようとしてしまいます。

でも、本当に大切なのは、“何を伝えるか”を見つけること。

たとえば、報告を欠かさないスタッフ。

ちょっとした異変に気づき、すぐ共有するチーム。

「無理かもしれない」と思うことでも、できる方法を探す人。

こうした“当たり前”の中にこそ、他にはない価値があります。

その価値を言葉にできるかどうか。そこに、選ばれる力が生まれます。

マーケティングとは、あなたの優しさを“伝わる形”にすること。

つまり、想いを社会の言葉に変える力です。


■理念と利益は、同じ方向を見ている



介護の仕事に「お金の話」は馴染まない、と思う人もいるでしょう。

けれど、理念と利益は対立するものではありません。

むしろ、理念を守るためにこそ、利益が必要です。

事業が続くことで、利用者を守れる。

スタッフの安心があるから、いい介護ができる。

利益は、優しさを循環させる燃料です。

誠実な人が報われること。

それが、正しい介護の仕組みです。


■「無理なお願い」は未来へのヒント

「この日だけ、ちょっと早く来てもらえませんか?」

「夜の見守り、少しだけ延長できませんか?」

現場では、そんな“無理なお願い”がよくあります。

その一つひとつの裏には、利用者や家族の“本音”があります。

なぜその時間なのか?

どんな不安があるのか?

そこを丁寧にくみ取り、できる方法を考える。

それが、他の事業所にはできない“あなたらしい支援”につながるのです。

マーケティングとは、「できません」を「できるかもしれない」に変える思考法。

人の願いを仕組みに変える力なのです。


■スタッフ一人ひとりが、“理念の代弁者”になる



介護の現場では、一人の行動が会社の印象を決めます。

だからこそ、理念を全員で共有することが大切です。

「できない理由」よりも「できる方法」。

「業務」よりも「人の安心」。

そんな共通の姿勢が、チーム全体を強くします。

理念はポスターではなく、日常のなかに息づくもの。

それが伝わる組織は、利用者にも不思議と安心を与えます。


■「介護の当たり前」を一度、疑ってみよう



介護の世界には、たくさんの“当たり前”があります。

「訪問時間はこうあるべき」

「サービスはこうしなければならない」

でも、その枠の中に、本当に利用者の幸せはあるでしょうか?

制度の中で工夫する余地は、まだまだあります。

「できない」を「できる」に変えるのは、熱意と発想。

それが現場の知恵であり、誇りです。


■マーケティングとは、“想いを言葉にする”こと



マーケティングは、テクニックではありません。

心の奥にある「こうありたい」という想いを、社会に伝えるための言葉を探すこと。

その言葉が整えば、あなたの介護はもっと伝わる。

利用者も家族も、あなたの想いに安心して身をゆだねるようになる。

介護の仕事は、静かで、でも深く人の人生を支える仕事です。

だからこそ、どう伝えるかを大切にしたい。

“売る”のではなく、“選ばれる”。

それは、あなたの優しさを正しく届けるための心の技術です。

介護の現場にこそ、マーケティングの心を。

それは、想いを続けるための哲学です。

当社ホームページはこちら
https://clover-m.co.jp/
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秦 邦仁
株式会社クローバー
代表取締役

2011年に大分市で訪問介護サービス「ヘルパーステーション介護のみかた」を開所。自宅で元気に長生きできる独自のシステムを開発し、高齢者の生活をサポートしている。また、介護支援コンサルタントとして、小学校から老人クラブまで年齢層に関係なく介護セミナー活動も行っている。

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