ご夫婦で介護のみかたをご利用いただいているT様。
お二人とも90代で要介護認定を受けています。
ご主人が一人で出来ないことが多いため、奥様はご主人のお手伝いをされます。
また、ひとりではできないこともあり、近所に住んでいる娘さんと介護のみかたが定期的に訪問し、お二人のサポートを始めて5年が過ぎました。
5年前、奥様は自分から率先して旦那さまのお世話をされていましたが、徐々に自分の部屋で過ごすことが多くなり、こちらからお声掛けをしないとご主人のお手伝いをやらなくなってしまいました。これではいけないと思い、ヘルパーが訪問した時は、できるだけ奥様に動いて頂くように心がけて声掛けをしています。
例えば、デイサービスに行くための準備をするときは奥様に声を掛けて、旦那様の着替えを手伝っていただきます。
「あなた、もっと腕をあげて」「大人の着替えは難しいわね~」なんて言いながらお手伝いしています。
うまくできない部分はヘルパーがアドバイスを行います。
軟膏塗布している様子。
食事の様子。
このように、ご家族の出来ることは、無理のない範囲で手伝ってもらうことが大切だと考えています。
なんでもヘルパーがしてしまうことは簡単なことです。
しかし、ご家族の役割を奪うことはご利用者様にとっても
ご家族にとっても良いこととは思えません。
介護のみかたではヘルパーが『なんでもしますよ!』と言うのは禁句としています。
ヘルパーが、なんでもしますよ!と言ってしまうと、ご家族は「それじゃあヘルパーさんに任せようか!」という気持ちになってしまいます。
この奥様のように、できることは一緒に行い、また家族がやってくれることは継続して家族にしていただく、これがご家族の役割をとらないことにつながります。
旦那様は、奥様が手伝ってくれる時はいつも嬉しそうな表情をされます。その表情を見て、できるだけ長くおふたりで家で生活できたらいいな~と、スタッフみんなで話しています。
そのために私たちは、奥様に出来ることを行ってもらいながらこれからも訪問介護サービスを続けていきたいと思っています。
※使用している写真は、ご本人・ご家族の了承を得て掲載させて頂いています。