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 新サービスではケアマネ以外に「計画作成担当者」が登場――第80回社保審レポ(1)

2011/10/01
★介護士日記
厚生労働省は9月22日、第80回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。この日の議題は、「定期巡回・随時対応サービスの基準・報酬について」、お
よび「複合型サービスの基準・報酬について」、その他の3点。いずれも次年度より実施予定の地域包括ケアシステムについて、各論ともいうべき詳細のすりあ
わせが行われた。



最初に、制度概要について改めて触れ、「定期巡回・随時対応サービスは地域密着型サービスの一類型として創設し、対象者は要介護者のみ(予防サービスは除外)。そして身体介護サービスを中心とした一日複数回サービスを想定している」とした。

また、提供事業所について、事務局から以下の2つの事業モデルが示された。

1)介護・看護一体型事業……介護職員による入浴・排泄その他の日常生活上の世話と、看護職員による療養上の世話、診療の補助を1つの事業所が一体的に提供。

2)介護・看護連携型事業……定期巡回・随時対応事業所と訪問看護事業所が連携し、介護と看護を一体的に提供。



定期巡回の部分は、「訪問介護と訪問看護が一体的、または密接に連携しながら巡回型訪問」を行い、随時対応は、「利用者からの通報により電話やICT機器等による応対・訪問などの随時対応を行う」とした。



続いて、これまでの社保審において、検討すべき論点として挙げられていた以下の4点について論議された。

1)利用者の心身の状況に応じて、必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供

2)24時間の対応体制の確保

3)介護・看護サービスの一体的提供

4)人材確保、経営の安定化


た、ケアマネジメントについて触れた部分としては、「既存の訪問介護は1日1回1.5時間、多くて2回3時間。あとの21時間は本人に我慢してもらってい
るか、家族に押し付けている。より高次のニーズが達成されるためにも、ケアマネジメントを再検討すべきではないか」という意見が出されていた。



人員基準については、既存のサービス提供事業所を参考としつつ今後詰めていくことになるが、病医院においても看護師不足が叫ばれる中、果たして訪問看護が必須のこのサービスに十分人材を確保できるかどうかが、今後の課題になってこよう。








回の議論のなかでは、夜間対応型に従事する職員の兼務要件と、随時対応の要(かなめ)となるオペレーターの資格要件について、「人材の有効活用を図る観点
から、当該事業所の他の職務と兼務を認めてはどうか」「オペレーターの資格として介護職員起訴研修修了者、ヘルパー1級修了者、実務経験3年以上の2級ヘ
ルパーまで範囲を拡大してはどうか」との案が事務局から提示されたが、これについては多くの委員から疑問視する声が上がった。



特に兼務については、人口密集地以外の地域では、特養・老健など既存施設が同サービスを提供することがすでに了承済みのようになっており、

「特養・老健での夜間職員が兼務するとなると、施設サービスの質の低下が懸念されるため、夜は施設職員を加配し兼務を認めてはどうか」(山田和彦 全国老人保健施設協会会長)

「(重度の人の利用が想定される定期巡回・随時対応サービスは)、既存の施設機能を活用しての兼務は望ましいが、さまざまなケアを必要とする人が多くなるので、オペレーターの要件は考えてほしい」(村上勝彦 全国老人福祉施設協議会総務・組織委員長)

などの意見が出された。



オペレーターの資格要件の定義については、

「(随時対応サービスは)定期訪問だけでは支えきれない人を対象とし、オペレーターはその最初の窓口なのだから、専門家を当てるべき。資格要件を弱めてしまったら役に立たない」(齋藤訓子 日本看護協会常任理事)

「オペレーターは、常に利用者の状態を把握している人であるべきで、できれば医療職がふさわしい」(山田和彦 全国老人保健施設協会会長)

など、要件定義を明確にするよう求める声が多く上がった。




た、「計画書は誰が作成するのか」という木間昭子委員(高齢社会をよくする女性の会理事)からの問いに対して、事務局は「1日数回の訪問により利用者の
日々の心身の状況の把握がし、柔軟にサービスを変更することが必要であることから、ケアマネジャーと計画作成担当者(仮称)が共同でマネジメントを行い、
実際の訪問の日時等については、定期巡回・随時対応サービス事業所が決定してはどうか」とした。



つまり新サービスでは、これまでの居宅サービス計画に加え、既存の訪問介護計画に当たる「定期巡回等計画」が作成され、アマネジャーとは別の計画作成担当者(おそらく随時・定期訪問する看護師)が随時プランを変更することが必須となるようだ。







――社保審レポ(2)へ続く

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秦 邦仁
株式会社クローバー
代表取締役

2011年に大分市で訪問介護サービス「ヘルパーステーション介護のみかた」を開所。自宅で元気に長生きできる独自のシステムを開発し、高齢者の生活をサポートしている。また、介護支援コンサルタントとして、小学校から老人クラブまで年齢層に関係なく介護セミナー活動も行っている。

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