介護福祉士の上位資格として導入が検討されている認定介護福祉士(仮称)の研修制度や資格認定制度について検討している日本介護福祉士会の「認定介護福祉士(仮称)の在り方に関する検討会」(委員長=太田貞司・神奈川県立保健福祉大教授)は10日、中間まとめを公表した。認定介護福祉士の養成カリキュラムの研修時間を、400時間から500時間までの間で設定することなどが盛り込まれている。
同検討会は、昨年1月に取りまとめられた厚生労働省の「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」の報告書で、介護福祉士資格を取得した後のステップアップとして認定介護福祉士の創設が提言されたことを受け、設置された。事務局を務める日本介護福祉士会の関係者のほか、介護関係者や大学関係者らが参加。オブザーバーとして厚労省社会・援護局福祉基盤課の担当者も出席し、認定介護福祉士が果たすべき役割や、資格を得るための実務経験、研修の在り方などについて昨年8月から今年3月まで、定期的に議論を重ねてきた。
■実務経験は7-8年以上を想定
中間まとめでは、認定介護福祉士の役割として、▽サービス提供責任者やユニットリーダーらへの教育指導やサービスのマネジメント▽利用者の生活支援において他職種と介護職によるチームとの連携・協働を促進―と定義。また、前提として「十分な介護実践力を備えていることが必要」としている。
認定介護福祉士に期待される具体的な実践力としては、「認知症のBPSD(周辺症状)の軽減」や「障害特性に応じた介護の提供」「心理的ケアや終末期ケアの実践」「科学的根拠や指標に基づく介護の根拠の説明・指導」「介護の根拠を言語化して医療職やケアマネジャーらの他職種に説明できるとともに、各種の専門的知識をもって他職種と連携・協働できる」などが挙げられた。
資格を得るための介護の実務経験については、7-8年以上を想定。望ましい条件としては、▽介護職によるチームのリーダーとしての実務経験▽居宅・居住(施設)系の両方での生活支援の経験-を挙げている。
研修体系については、必要性に応じた段階的な研修受講を実現するため、チーム運営や医療、リハビリテーション、心理・社会的ケアの知識を獲得することなどを目的とした「第一段階の研修」と、チームにおけるサービスマネジメントの知識などを学ぶ「第二段階の研修」の創設を提言。研修時間については、いずれも200-250時間程度としている。なお、研修を受講する期間については、「実務経験が7-8年に達する間に、受講を終えればいい」(日本介護福祉士会の関係者)としており、厳しい制限は設けられない見通しだ。
今後、検討会では、来年度の研修開始に向け、研修カリキュラムの具体的な内容や認定の方法、更新制度の在り方などについて検討を進める。
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- 大分訪問介護・クローバー通信
- 認定介護福祉士の養成研修、4、5百時間に- 在り方検討会が中間まとめ
- 秦 邦仁
- 株式会社クローバー
代表取締役
2011年に大分市で訪問介護サービス「ヘルパーステーション介護のみかた」を開所。自宅で元気に長生きできる独自のシステムを開発し、高齢者の生活をサポートしている。また、介護支援コンサルタントとして、小学校から老人クラブまで年齢層に関係なく介護セミナー活動も行っている。
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