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訪問介護、どの事業者も同じと思っていませんか?

2025/12/19
訪問介護のみかた

大分ホームヘルパー訪問介護のみかた介護支援コンサルタントの秦です。


質問ですが、
大分県に訪問介護事業所って何か所あるか想像がつきますか?


施設に付随している事業所も合わせると約430ヶ所あります。




みなさんは何か所くらい知っていますか?


おそらくほとんど知らないのではないでしょうか?


もし介護状態になりホームヘルパーが必要となっても、何から始めていいのかわからない方も多いのではないでしょうか。


そん中、ホームヘルパーが必要になり訪問介護サービスを選ぶとき、多くの人がこう感じているという話をよく聞きます。
 

  • 「どこに頼んでも大して変わらない」

  • 「ケアマネさんが紹介してくれた所にするしかない」

  • 「サービス内容はどこも同じなんでしょ?」


実際、大分の訪問介護の現場でも同じ悩みが繰り返し聞かれます。


しかし、この“どこも同じ”という感覚こそが、介護サービス選びで最も危険な思い込み です。


介護は商品ではなく、“人が人を支えるサービス”。

そのため、表に見える違いは小さくても、内側には大きな差が生まれます。


今回は、

なぜ訪問介護事業者にこれほど差が出るのか?

その違いはどこで見分けられるのか?

という点を深掘りします。
 



1.介護サービスは“姿勢”によって大きく変わる




まず理解しておきたいのは、
訪問介護は制度に基づいて提供されるため、表面的にはどこも同じように見える ということ。

たとえば、

  • 洗濯

  • 調理

  • 掃除

  • 買い物

  • 排泄介助

  • 入浴介助

  • 自立支援介助

など、これらの項目は、どの事業所も同じ分類で扱います。

だから、ホームページを見てもらえばわかると思いますが、どこもサービス内容が「同じに見える」わけです。

しかし、決定的な違いが出るのはここではありません。
違いが出るのは “サービスの姿勢” です。

たとえば同じ「掃除」を依頼しても

  • 5分で終わらせるスタッフ

  • 15分かけて丁寧に取り組むスタッフ

  • 家の状況を見て「ここも気になりませんか?」と言添えるスタッフ

これらはすべて「同じサービス」のはずですが、
利用者さんの満足度は天と地ほど違います。

つまり、介護は“何をするか”よりも
“どう向き合うか”で品質が決まる仕事 なのです。
 


2.事業者ごとの違いは「理念」と「現場力」で生まれる


なぜ違いが大きくなるのか?

理由はシンプルで、介護業界は
「仕組み」より「人」に依存する構造 だからです。


では、違いを生む要素を細かく見てみましょう。

 



(1)理念の違い


事業者によって「何を大切にしているか」が異なります。
 

  • 利用者さんの生活を支えることを本気で考えている会社

  • 利用者さんより“事務作業の効率”を優先してしまう会社

  • 職員の教育に力を入れている会社

  • シフト調整を最優先にしてしまう会社


訪問介護でも、この違いは非常に大きいです。


理念は見えにくいですが、必ず“スタッフの態度”として現れます。
 



(2)育成と研修の違い



訪問介護は個別性が高く、スタッフの判断力が要求されます。


だからこそ、
育成しているかどうかがサービスの質に直結 します。
 

  • 状況判断

  • 言葉の使い方

  • 利用者への寄り添い

  • 自立支援の姿勢

  • 緊急時対応


これらを“現場で教えられる”会社は強いです。


逆に「資格があるから現場に出す」のみの会社だと、スタッフ間の品質差が大きくなり、利用者さんが不安になります。
 



(3)スタッフの定着率



非常に重要なのが、スタッフが定着しているかどうか


スタッフがすぐ辞める事業者は、

  • 連絡が雑

  • 訪問時間が安定しない

  • ケアの質が一定しない

  • ミスが起こりやすい


という問題が発生しがちです。


逆に、スタッフが長く続く会社は、

  • ベテランが多い

  • 利用者の生活を深く理解している

  • 臨機応変な判断ができる

  • 信頼関係が築きやすい

という強みがあります。


訪問介護は「人の力」が一番価値を生む分野。

だから スタッフの安定=サービスの安定 と考えて間違いありません。
 



3.「事業者の違い」はここを見ればわかる




では、利用者側はどこで違いを見分ければいいのでしょうか?
 

以下に“見分けるためのポイント”をまとめます。


(1)初回相談の“聞き方”


良い会社は、最初の相談から違います。

  • こちらの話を遮らず、最後まで聞く

  • 生活の背景まで質問する

  • 「何ができるか」より「どう生きたいか」を聞いてくれる

  • その場ですぐ結論を出さず、丁寧に検討する


逆に、

  • 質問が少ない

  • 制度の話ばかりする

  • 事務的

  • こちらの悩みを深掘りしない

このような対応をする事業者は避けた方が賢明です。


(2)ケアマネとの連携姿勢


訪問介護はケアマネジャーとの連携が命です。


良い事業者ほど、

  • 連絡が早い

  • 情報を丁寧に共有する

  • 利用者さんの状態変化を細かく伝える

  • ケアマネジャーから信頼されている


この“連携力の差”が、利用者さんの生活の安定を左右します。
 

(3)サービスの柔軟性


大分の訪問介護事業所でも、
「会社によって柔軟性がまったく違う」
という声は非常に多いです。

  • 時間変更への対応

  • 天候や家族状況への配慮

  • 本人の体調変化に合わせた微調整

  • 生活改善の提案


柔軟に考えられる会社は、
理念の根本に“利用者さん第一の思想”があります。
 



4.“どこも同じ”ではない。




だからこそ、比較する価値があると思います。

ここまで読んで、

「そんなに違うの?」
「比較しないと損するじゃん…」

と思われたかもしれません。


その通りです。
「競合を知らないと、本質は見えない」


比較することで

  • 利用者さんに合う会社

  • 生活の質が上がる会社

  • 家族が安心できる会社

を選べるようになります。


逆に比較しなければ、
“たまたま最初に紹介された会社”に運命を預けることになります。

 


5.まとめ、訪問介護の違いは“目に見えない部分”で決まる



訪問介護の事業者選びで最も大切なのは、
サービス内容ではなく、会社の姿勢を見ること。


その会社が

  • どれだけ利用者さんの生活に関心を持つか

  • 困りごとを深く理解しようとしているか

  • ケアマネジャーと密に連携するか

  • スタッフを大切にしているか


これらの“見えない部分”こそがサービスの質を決定します。


だからこそ、
どの事業者も同じという思い込みを捨てて事業所を探して欲しいと思います。


これが、
利用者さんの生活の質を守る第一歩になります。

ホームヘルパーとして利用者さんが、少しでも長くご自宅で長く生活できるようサポートしていこうと思います。

当社ホームページはこちらです。
https://clover-m.co.jp/blog/

 

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秦 邦仁
株式会社クローバー
代表取締役

2011年に大分市で訪問介護サービス「ヘルパーステーション介護のみかた」を開所。自宅で元気に長生きできる独自のシステムを開発し、高齢者の生活をサポートしている。また、介護支援コンサルタントとして、小学校から老人クラブまで年齢層に関係なく介護セミナー活動も行っている。

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