「寝かせきり」施設は全国でわずか10件――厚労省調査結果

厚生労働省は、全国の有料老人ホームのうち、寝たきり状態で常時介護が必要な高齢者（経管栄養が必要な高齢者など）のみを入居対象とする施設について、老
人福祉法で義務付けられた「有料老人ホーム」としての届出状況および指導状況を把握するための調査を、2011年3月30日に都道府県に対して実施し、こ
のほど結果を取りまとめ、8月26日に公表した。



都道府県からの報告をまとめた調査結果からは、2010年10月31日時点における全国
計5,966の有料老人ホーム（届出済み施設と、未届であるものの有料老人ホームに該当しうる施設の合計）のうち、常時介護が必要な高齢者のみが入居対象
の施設は4県に10施設（届出済10、未届0）あることが分かった。また、これらの施設への指導件数は計7件だった。



調査結果を踏まえ同省は、各都道府県に対し、以下の内容の通知を出してさらなる指導を要請した。

・有料老人ホームの届出促進及び指導等、取組を徹底する

・不正な保険診療や保険請求が疑われる場合は、個別指導など必要な対応を行う



10施設の所在地は、秋田県1、神奈川県1、岐阜県7、福岡県1となっており、指導件数7件はすべて岐阜県の施設だった。



寝たきり状態で常時介護が必要な高齢者のみを入居させる「寝かせきり施設」の存在は、国会で某議員がその存在を明らかにし問題としたが、調査結果は予想をはるかに下回る数字だった。



◎厚生労働省